
投稿日:2025.04.17 最終更新日:2025.04.17
重機の事故・盗難は保険で守る!リース時の注意点やコスト削減方法も解説

建設現場に欠かせない大型重機。高価な機械であると同時に、操作を誤れば大きな事故につながる危険性もはらんでいます。
横転や接触といった操作ミスによる事故はもちろん、近年は盗難被害も後を絶たず、頭を悩ませている事業者の方も多いのではないでしょうか。
ひとたびトラブルが発生すれば、多額の修理費や賠償金が必要となり、経営への影響も小さくありません。
こうした万が一の事態に備える手段として、保険の活用があります。
この記事では、重機に関わる保険について、以下のような疑問にお答えします。
-
重機が壊れたり盗まれたりした場合、どんな保険でカバーできる?
-
リースで借りている重機も、保険でしっかり守られる?
-
保険料をできるだけ抑える方法はある?
これから保険加入を検討される方はもちろん、「今入っている保険で本当に大丈夫?」と不安を感じている方も、ぜひご一読ください。
目次
重機の事故はどんな事故がある?
建設現場で活躍する重機ですが、その操作や管理には様々なリスクが潜んでいます。
いくら「自分たちは大丈夫」と思っていても、何が起こるかわからないものです。
まず最初に、実際に起こりうる重機関連の事故や故障の工事保険比較WEBの事例をご紹介します。
-
操作ミスでリース重機のアームを破損
リースで借りていた重機を操作中に、誤って壁や障害物に接触させてしまい、アーム部分を大きく破損させてしまったケースです。実際の補償事例 -
解体作業の放水が原因でセンサーが故障
解体工事現場で粉塵対策のために散水していたところ、その水が近くにあったリース重機にかかってしまい、精密なセンサー部分が故障してしまった、という事例。直接ぶつけなくても、作業の影響が他の機械に損害を与えてしまうこともあります。実際の補償事例 -
塗装用機械の内部で材料が固着し故障
塗装作業で使っていた機械の内部で、塗料や溶剤などの材料が固まってしまい、機械そのものが動かなくなってしまったというトラブルも考えられます。外部からの衝撃だけでなく、機械内部での予期せぬ不具合による故障も起こり得るのです。実際の補償事例
この他にも、重機の転倒・横転、作業員との接触、輸送中の落下・破損などもよくある事故例として挙げられます。
このように、重機に関連するトラブルは、操作ミスによる物理的な破損から、作業に伴う間接的な損害、機械内部の不具合、人身事故、輸送中のアクシデントまで、実に様々なのです。
重機の事故・盗難リスクはどれほど深刻?
重機による事故は、建設現場の中でも深刻な被害をもたらしやすいといわれています。
実際に、厚生労働省の統計によれば、建設業における労働災害の死亡者数は2023年に200名を超えており、そのうち重機がからむ死傷事故の報告例は少なくありません。
(出典:「令和5年の労働災害発生状況を公表(厚生労働省)」)
たとえばバックホウ(ショベルカー)の旋回時に作業員と接触し、大怪我につながる事故は全体の半数以上を占めるというデータもあります。
(出典:「安全啓発リーフレット(令和3年度版)参考資料(国土交通省)」)
また、事故だけでなく盗難のリスクも見過ごせません。
重機は高価で転売しやすいため、窃盗犯の標的になりやすいのが実情です。
近年、全国で多くの重機盗難が報告されており、特に都市部では被害が集中する傾向にあります。
盗まれた重機が海外へ不正に流出するケースもあり、発見や回収が困難なため、被害者が泣き寝入りせざるを得ない状況も少なくありません。
こうした事故や盗難は、人命に関わる危険はもちろんのこと、修理費や賠償金、工期の遅延、そして会社の信用失墜といった、経営に深刻なダメージを与える可能性があります。
だからこそ、万が一の事態に備えて「どのような保険でリスクをカバーできるのか」を事前に把握しておくことが、安全管理と安定した事業継続の両面から非常に重要となるのです。

工事現場で盗難発生!責任は誰が負う?万が一の補償範囲と支払いの実例
近年、銅線やアルミなどの金属が海外で高額取引されるようになり、工事現場を狙った盗難事件が増えています。 警察庁のまとめによると、金属盗難の被害は年間でなんと100億円以上(出典:NHKニュース)。 資材や機材がたくさん置いてある工事現場は、どうしても狙われやすいのです。 また、夜間や休日には人
保険でカバーできる範囲は?重機から第三者まで
重機に関わる保険には、大きく分けて
「重機そのものの損害」を補償するもの
と、
「重機事故で第三者に与えた損害」を補償するもの
があります。
ここでは代表的な2種類(動産保険・賠償責任保険)と、リース重機特有の注意点を紹介します。
【動産保険と賠償責任保険の主な違い】
項目 | 動産保険 | 賠償責任保険 |
---|---|---|
主な補償対象 | 重機そのもの(車両、機械、設備など) | 第三者の身体や財物 |
主な補償内容 | 火災、盗難、破損、輸送中の事故などによる重機自体の損害 | 重機事故による他人のケガや他人の物の損壊に対する賠償責任 |
では、それぞれの保険について、もう少し詳しく見ていきましょう。
動産保険
動産保険は、火災・爆発・盗難・転倒・輸送中の事故など、重機本体に起きるさまざまなトラブルを対象とする保険です。
たとえば、重機を輸送中にトラックが事故を起こして重機が大破したり、現場で誤って操作パネルを水没させたりした場合でも、修理費用や代替機の購入費用(時価相当)が補償されます。
-
輸送時の転倒・破損
- 作業中の誤操作による内部故障
-
盗難や火災など突発的なアクシデント
ただし、経年劣化や通常の摩耗による故障は補償対象外とされることが多いため注意が必要です。
また、重機の査定は時価(中古価格)で算定されることがあり、新品価格のすべてが支払われるわけではありません。
修理ができない場合は「修理不能証明」を提出するといった手続きが求められることもあります。
賠償責任保険
賠償責任保険は、重機を操作する際に第三者(人や他社の財物)に損害を与えた場合の賠償金や治療費などをカバーする保険です。
具体的には、以下のようなケースが想定されます。
-
隣接する工事現場の資材や建物を誤って破壊してしまい、多額の弁償を求められた
-
バックホウの旋回時に作業員とぶつかってしまい、治療費や休業補償など高額の賠償負担が生じた
ここで注意したいのが、自動車保険との違いです。
自動車保険は主に公道での事故を想定しています。そのため、工事現場の中だけで使うナンバープレートのない重機が起こした事故の賠償責任は、基本的に補償対象外です。
このような作業中の対人・対物事故に備えるには、別途、建設業向けの賠償責任保険が必要になるのです。
また、示談交渉を保険会社が代行してくれない商品もあるため、加入前に示談交渉サービスの有無を必ず確認しておきましょう。
リース重機の「保険抜け」に要注意!
リースやレンタルで重機を利用する際、最も注意したいのが「保険抜け」です。
「リース会社が保険に入っているはず」と思い込んでいても、その保険がカバーするのは、多くの場合、リース会社の所有者としてのリスクや、事故で他人に損害を与えた場合の賠償(対物賠償など)に限られます。
つまり、借りている自社が操作ミスなどで重機そのものを壊してしまった場合、その損害は補償されない可能性が高いのです。
-
レンタルした重機を転倒させ、アーム部分を大破 → リース会社から1,000万円以上の弁償を請求された。
-
リース元の保険を確認したら盗難補償のみで、破損トラブルには適用されなかった。
このような「保険抜け」による予期せぬ高額負担を防ぐためには、リース契約時に保険の内容を細かく確認することが大切です。
もし補償が不十分であれば、まず自社で「動産保険」への加入を検討しましょう。
場合によっては、借りている重機そのものを誤って壊してしまった場合の損害に備える「受託物賠償責任特約」などを、既存の保険に追加する選択肢もあります。
事故・事件が発生!流れや必要な手続きは?
重機の故障や盗難、対人・対物事故が起きた場合、どのように手続きを進めればいいのでしょうか。
いざというときに混乱しないよう、一般的な流れと気をつけたい点をまとめました。
-
事故・被害の発生直後
まずは人命の安全を最優先し、ケガ人の救護や二次被害の防止に努めます。盗難の場合は速やかに警察へ通報し、現場周辺の防犯カメラや目撃情報を確認しましょう。 -
証拠の確保
損害箇所の写真や動画は、高額になりがちな重機の保険請求において極めて重要です。様々な角度から、現場全体の状況も含めて詳細に記録しましょう。自己防衛のためにも、客観的な証拠を残すことが大切です。 -
保険会社・代理店への連絡
保険証券や契約書を手元に用意し、できるだけ早く保険会社または代理店に連絡します。連絡が遅れると補償を受けられなくなるケースもあるため注意してください。契約上の報告期限も確認しておきましょう。 -
修理や見積もりの取得
修理が必要な際は、保険会社の指示に従いつつ、可能なら複数の業者から見積もりを取りましょう。費用の妥当性が分かり、保険会社との交渉も進めやすくなります。破損がひどい場合は「修理不能証明」が必要です。 -
賠償交渉・保険金受領
対人・対物事故では示談交渉が発生します。保険に示談交渉サービスが付いているかで、その後の負担が大きく変わるため、必ず事前に確認しましょう。示談成立後、必要書類を提出すれば保険金が支払われます。
特に、事故直後の現場状況を示す写真や動画は、後からでは決して手に入らない重要な証拠です。
最も動揺しているタイミングだからこそ、事前に対応ステップを知っておくことで、いざという時の大きな安心につながるでしょう。
保険料を抑えるには?団体割引や複数プラン比較のススメ
重機に必要な保険は理解できたものの、「やっぱり保険料が気になる…」という方も多いのではないでしょうか。
必要な補償はしっかり確保しつつ、コストはできるだけ抑えたいものですよね。
保険料負担を軽減するための代表的なヒントをいくつかご紹介します。
-
団体割引の活用:
所属する建設業協会などを通じた加入で、割引が適用される場合があります。
個別加入に比べ10~30%以上安くなるケースも。 -
複数プランの比較検討:
同じ補償でも保険料は各社で数万円単位で異なります。相見積もりで最適なプランを探しましょう。 -
補償内容の最適化:
免責金額(自己負担額)の設定や、本当に必要な補償への絞り込みを検討しましょう。 -
安全対策による割引制度:
安全管理への取り組みが、保険料割引の対象になるケースもあります。
上記のような方法を組み合わせることで、保険料の負担を大きく軽減できる可能性があります。
実際に、私たちマルエイソリューションにご相談いただいたお客様の中には、保険全体の見直しを行った結果、年間の保険料を約80%削減できたというケースもあります。(参考:マルエイソリューション)
保険料のコスト削減については、下記の記事でご紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。

工事保険の相場は?必要補償・保険料を安くする方法を専門家が解説
建設現場は高所作業や大型機械の使用など、事故リスクが他の業種と比べて格段に高いといわれます。 万が一、大きなけがや資材の破損、近隣建物への被害などが起こった場合、数千万円から数億円の賠償金が発生することも珍しくありません。 しかし、こうしたリスクに対して「工事保険」の加入を後回しにしている事業者
まとめ:重機の事故・盗難リスクは保険でカバーできる!
建設現場に不可欠な重機ですが、その運用には事故や盗難といった無視できないリスクが伴います。
万が一の事態に備えるためには、重機そのものの損害をカバーする「動産総合保険」と、第三者への損害を補償する「賠償責任保険」の適切な組み合わせが重要です。
特にリース重機の場合は、契約内容をよく確認し、「保険抜け」がないか注意する必要があります。
「自社の重機の使い方に合った保険はどれだろう?」
「リース契約の保険内容、これで本当に大丈夫?」
「もっと保険料を抑えられないかな?」
もし、このようなお悩みや疑問をお持ちでしたら、ぜひ一度、私たちマルエイソリューションにご相談ください。
-
コスト削減に自信あり!:
独自の団体割引(入会費・年会費無料の「マルエイ取引先協力会」など)や、保険会社ごとのプラン比較により、保険料の大幅な削減を目指せます。 -
豊富な選択肢から最適プランをご提案:
国内外の主要保険会社・40以上の商品の中から、お客様の重機の種類や使用状況、リース契約の有無などを踏まえ、過不足のない最適な補償プランを公平な視点で厳選します。 -
リース重機の「保険の穴」もチェック:
複雑になりがちなリース契約の保険内容を専門家が確認し、必要な補償が漏れていないか的確にアドバイスします。 -
安心の実績とサポート:
これまで多くのお客様の保険選びをお手伝いし、継続率95%以上という高いご支持をいただいています。
ご相談・お見積もりは無料です。オンラインでのご相談も可能ですので、全国どこからでもお気軽にお問い合わせください。