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【工事保険料の相場】単発と包括・業種別・完工高別での違いや保険料を安くする方法

「保険会社から提示された工事保険の見積もり、この金額は妥当なのだろうか?」

「そもそも工事保険っていくらくらいなの?」

「年間数十万円も払っているけど、もっと安くできる方法はないのか?」

建設業を営む経営者の方なら、一度は工事保険の保険料について、こんな疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。

工事保険は、第三者への賠償責任や従業員の労災、工事中の建物・資材の損害など、建設業特有のリスクに備えるために欠かせない保険です。

しかし、「相場がいくらなのか」「何と比べて高いのか安いのか」が分かりにくく、払いすぎているのか、逆に補償が足りないのか、判断しづらいのが実情です。

結論からお伝えすると、完工高1億円の場合、年間30〜40万円程度が一般的な相場です。

ただし、業種や補償内容によって大きく変わり、解体工事業では年間100万円を超えることもあります。一方で、団体割引や複数社での比較を活用すれば、30%以上のコスト削減も十分可能です。

この記事では、業種別・規模別の具体的な保険料相場と、同じ補償内容のまま保険料を抑える方法を、建設業保険の専門家が詳しく解説します。

「今の保険料が高いのか安いのか知りたい」「見積もりを複数社から取ったけど、どう比較すればいいか分からない」という方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事でわかること
  • 工事保険の2つの種類と、それぞれが守る範囲
  • 業種別・完工高別の保険料相場
  • 単発契約と包括契約での違い
  • 保険料が変わる5つの理由と、金額の見極め方
  • 同じ補償のまま、保険料を下げる方法

これらのポイントを押さえることで、自社にとって最適な保険を、適正な価格で選べるようになります。

この記事を書いた人
後藤 文男

国内大手損害保険会社で法人営業職を経験後、2013年に入社。補償内容の見直しや保険を活用した経費削減の提案など、損害保険分野のリスクコンサルを得意としている。
【保有資格】
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
・一級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

目次

【あなたの会社の相場はこれ】業種別・完工高別の保険料相場

「うちの会社の保険料は妥当なのか?」「他の会社と比べて高すぎないか?」

まずは結論から。

実際の工事保険料がいくらになるのか、業種別・完工高別の保険料相場をお見せします。

この表と見比べて、自社の保険料が適正かどうかを確認してみてください。

30秒で分かる:あなたの業種・規模での相場チェック

「早く自分の場合の相場を知りたい」という方のために、簡単な相場チェックをご用意しました。

以下の質問に答えるだけで、おおよその相場が分かります。

【質問1】あなたの業種は?

  • 建築一式工事業:年間30〜36万円程度が相場
  • 土木一式工事業:年間23〜46万円程度が相場
  • 電気工事業:年間26〜40万円程度が相場
  • 解体工事業:年間23〜203万円程度が相場(保険会社による差が非常に大きい)
  • 塗装工事業:年間26〜39万円程度が相場
  • 管工事業:年間28〜85万円程度が相場

ご自身の業種がリストにない場合は、似た業種の相場を参考にしてください。

【質問2】年間完工高は?

  • 1億円未満:上記の相場を参考
  • 1億円:上記の相場(賠償責任保険のみ)、総額で30〜40万円(任意保険含む)
  • 5億円:総額で150万円前後(任意保険含む)
  • 10億円:総額で300万円超(任意保険含む)

完工高が大きくなるほど、保険料も比例して増えていきます。

【質問3】今の保険料と比べてどう?

  • 相場より20%以上高い:見直しの余地が大きい
  • 相場とほぼ同じ:適正だが、団体割引でさらに下がる可能性あり
  • 相場より30%以上安い:補償内容が不十分な可能性あり(要確認)

まずはこの3つのパターンで、自社の保険料が適正かどうかを判断してみてください。

この簡易チェックで「相場より明らかに高い」と感じた方は、一度現在加入している保険についての見直しをおすすめします。

それでは、より詳しい相場データを見ていきましょう。

賠償責任保険の保険料相場(完工高1億円の場合)

まず、もっとも基本となる賠償責任保険の相場から見ていきましょう。

以下は、当社取り扱いの賠償責任保険における、完工高1億円の場合の業種別の年間保険料です。

保険会社によって保険料が大きく異なることが分かります。

(データ基準:2025年11月28日時点の各保険会社公式料率表に基づく試算)

業種 東京海上日動 損保ジャパン 三井住友海上 AIG損保 あいおいニッセイ同和損保
建築一式工事業 363,040円 264,840円 348,120円 305,300円 226,279円
土木一式工事業 348,000円 275,760円 344,230円 461,900円 229,500円
電気工事業 397,660円 264,840円 332,540円 325,500円 332,540円
解体工事業 2,028,360円 225,980円 1,098,930円 1,098,930円
塗装工事業 389,640円 264,840円 348,170円 348,120円
管工事業 848,640円 275,760円 372,200円 372,200円

(注意点)

  • 上記は2025年11月28日現在の保険料であり、実際の保険料は売上規模・補償条件・事故歴などにより変わります。
  • 解体工事業などリスクが高い業種は、保険料が高額になりやすい傾向があります。たとえば、解体工事業では東京海上日動が約203万円、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保が約110万円と、他の業種の2〜10倍の保険料になっています。
  • 詳しい見積もりについては、お問い合わせください。

これらの注意点を踏まえたうえで、表の数字を確認してみてください。

この表を見ると、同じ業種・同じ完工高でも、保険会社によって保険料に大きな差があることが分かります。

たとえば、建築一式工事業では、もっとも高い東京海上日動が約36万円、もっとも安いあいおいニッセイ同和損保が約23万円と、約13万円(約37%)の差があります。

解体工事業ではさらに顕著で、東京海上日動が約203万円なのに対し、損保ジャパンは約23万円と、約180万円(約88%)もの差があります。これは、保険会社ごとに「どの業種をリスクが高いと見なすか」の判断基準が異なるためです。

この表と見比べて、自社の保険料が「だいたいこの範囲に収まっているのか」「明らかに高い(あるいは安すぎる)のか」を確認してみてください。

相場とかけ離れている場合は、補償内容や条件に偏りがないか、見直すタイミングと考えられます。

特に、「相場よりかなり安い」場合は、補償内容が不十分な可能性もあります。

たとえば、対物賠償が「1,000万円」で設定されている場合、近隣の高級車や建物を壊した際に補償が足りなくなるリスクがあります。

各社のより詳しい金額については以下のページからご確認ください。

賠償責任保険+任意保険の保険料相場(完工高別)

次に、賠償責任保険に労災上乗せ保険や建設工事保険を加えた場合の、完工高別の年間保険料を見てみましょう。

多くの建設会社が賠償責任保険に加えて、労災上乗せ保険や建設工事保険にも入っています。これらを合わせた場合の保険料がどれくらいになるのか、完工高別に示します。

年間完成工事高 年間保険料の目安
1億円 建設工事保険が年20万円前後、賠償責任保険や労災上乗せ保険を合わせると合計30〜40万円程度になることが多いです。
5億円 建設工事保険だけで約100万円かかる場合も。プラスで賠償責任保険や労災上乗せ保険を含めると合計150万円前後に。
10億円 建設工事保険が200万円前後に上るケースもあり、総額300万円超えになる可能性もあります。

(注意点)

  • 上記の金額はあくまで大まかな目安です。業種、補償内容、割引適用などにより大きく変わります。
  • 建設工事保険など、物的損害を補償する保険を加える場合は、さらに保険料が加算されます。

【相場の背景を知る】工事保険には2つの分け方がある

相場を見て、「なぜこんなに金額に差があるのか」「包括契約と単発契約って何が違うのか」と疑問に思われた方もいるでしょう。

相場をより深く理解するために、ここでは工事保険の2つの大きな分け方について解説します。

1. 補償内容による分け方:賠償責任保険と物保険

まず、何を補償するかという観点では、工事保険は主に「賠償責任保険」と「物保険(工事保険)」の2つに分けられます。

  • 賠償責任保険: 第三者への損害賠償責任を補償(請負業者賠償責任保険、生産物賠償責任保険など)
  • 物保険(工事保険): 工事目的物や資材などの物的損害を補償(建設工事保険など)
  • 傷害保険: 従業員のケガや死亡を補償(労災上乗せ保険など)

それぞれで補償できる範囲が異なるので、建設業特有のさまざまなリスクをカバーするためにはこれらの保険を組み合わせた契約が必要となります。

あわせて読みたい
【工事保険とは】建築・建設業向けガイド|補償内容と必要性を分かりやすく解説

工事現場で予期せぬ事故が起きたら、どうしますか? 実際、工事中のトラブルは珍しくありません。火災や台風による被害、資材の盗難、作業ミスによる事故など、様々なリスクが潜んでいます。 そんなときに頼りになるのが「工事保険」です。「聞いたことはあるけど、詳しくは知らない」という方も多いかもしれません。

2. 契約形態による分け方:包括契約と単発契約

次に、どう契約するかという観点では、「包括契約(年間契約)」と「単発契約(スポット契約)」の2つがあります。

契約形態 特徴 向いている会社
包括契約(年間契約) 1年間のすべての工事をまとめて補償。年間完工高に基づいて保険料を決める。 年間10件以上の工事がある会社。事務手続きを簡素化したい会社。
単発契約(スポット契約) 工事ごとに個別に保険をかける。工事金額や工期に応じて保険料を支払う。 年間5件以下の工事しかない会社。大型工事を単発で請け負う会社。

一般的には、年間5〜10件を境に、包括契約の方が割安になるケースが多いです。

では、包括契約と単発契約では具体的にどれくらい保険料が違うのでしょうか。業種別に詳しく見ていきましょう。

包括契約と単発契約の保険料相場の違い

ここでは、業種別に包括契約と単発契約の保険料を比較します。

実際にどれくらい差が出るのか、具体的な数字で確認してみましょう。

建築一式工事業の場合

契約形態 条件 年間保険料 1件あたり保険料 年間差額
包括契約 年間完工高1億円(年間10件想定) 約30万円 約3万円
単発契約 工事金額1,000万円×10件 約50万円〜80万円 約5万円〜8万円 +20万円〜50万円

→ 年間10件以上の工事があるなら、包括契約の方が20万円〜50万円安くなる

解体工事業の場合

契約形態 条件 年間保険料 1件あたり保険料 年間差額
包括契約 年間完工高1億円(年間10件想定) 約100万円 約10万円
単発契約 工事金額1,000万円×10件 約150万円〜250万円 約15万円〜25万円 +50万円〜150万円

→ 年間10件以上の工事があるなら、包括契約の方が50万円〜150万円安くなる

土木一式工事業の場合

契約形態 条件 年間保険料 1件あたり保険料 年間差額
包括契約 年間完工高1億円(年間10件想定) 約35万円 約3.5万円
単発契約 工事金額1,000万円×10件 約60万円〜90万円 約6万円〜9万円 +25万円〜55万円

→ 年間10件以上の工事があるなら、包括契約の方が25万円〜55万円安くなる

電気工事業の場合

契約形態 条件 年間保険料 1件あたり保険料 年間差額
包括契約 年間完工高1億円(年間10件想定) 約33万円 約3.3万円
単発契約 工事金額1,000万円×10件 約55万円〜85万円 約5.5万円〜8.5万円 +22万円〜52万円

→ 年間10件以上の工事があるなら、包括契約の方が22万円〜52万円安くなる

単発契約が有利になるケース

逆に、年間の工事件数が少ない場合は、単発契約の方が安くなります。

【例】建築一式工事業で年間3件の場合

契約形態 条件 年間保険料
包括契約 年間完工高3,000万円 約15万円〜20万円
単発契約 工事金額1,000万円×3件 約15万円〜24万円

→ 年間5件以下なら、包括契約と単発契約でほぼ同額、または単発契約の方が安くなることも

判断の目安:年間何件以上なら包括契約がお得?

業種 包括契約が有利になる年間工事件数の目安
建築一式工事業 年間7件以上
土木一式工事業 年間8件以上
電気工事業 年間7件以上
解体工事業 年間5件以上(リスクが高いため、単発契約の保険料も高額)
塗装工事業 年間8件以上
管工事業 年間6件以上

上記はあくまで目安です。実際の保険料は、工事内容、補償条件、工期、保険会社により大きく変わります。

単発契約の保険料は、工事金額だけでなく、工期(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月など)や工事のリスク(高所作業の有無、使用する重機など)によっても変動します。

「自社は年間何件くらい工事をしているか」を確認して、包括契約と単発契約のどちらが有利か判断してみてください。

詳しい見積もりについては、お問い合わせいただけますと専門のアドバイザーがどちらが安いのか実際のプランからご判断させていただきます。

 

労災上乗せ保険は、従業員数や業種によるリスク評価の影響が大きくなります。たとえば、高所作業が多い業種や、大型機械を扱う業種は、保険料が高くなりやすい傾向があります。

したがって、正確な金額を知りたい場合は、必ず個別に見積もりを取ることをおすすめします。

完工高が上がるにつれて保険料も増える傾向がありますが、条件次第では大きな差が出ることもあります。

「思ったより高いな」と感じる方も、「意外と安いかも」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

自社の状況に合った保険料を知り、コスト削減の工夫をすることが大切です。

次のセクションで紹介する「保険料が変わる要素」を理解すれば、なぜ同じ業種・完工高でも金額が変わるのかが分かります。

【参考】公共工事や経審での保険加入の扱い

公共工事や大手ゼネコンの案件では、工事保険への加入が受注要件になっているケースが増えています。

また、国土交通省の「経営事項審査(経審)」では、労災上乗せ保険に加入していると加点評価されます。これは、従業員の安全を重視する姿勢が評価されるためです。

保険は単なるコストではなく、受注機会の拡大や経審での評価向上にもつながる投資と考えることができます。

保険料が変わる5つの理由:同じ業種・完工高でも金額が変わるのはなぜか

先ほどの表を見て、「同じ業種なのに、保険会社によって金額がずいぶん違う」と思われた方もいるかもしれません。

なぜ、こんなに差が出るのでしょうか?

工事保険料は「完工高×業種」だけで決まるわけではありません。以下の5つが複雑に絡み合って、最終的な保険料が決まります

1. 年間完成工事高(完工高)

売上規模が大きいほど、リスクも大きくなると考えられ、保険料は高くなりやすい傾向があります。

たとえば、完工高1億円の会社と10億円の会社では、単純に10倍の保険料になるわけではありませんが、完工高が大きいほど工事の規模や数も増えるため、事故リスクも高まるという考え方です。

ただし、完工高が大きくても、工事の種類によってはリスクが低いと判断されることもあります。

たとえば、完工高10億円でも、リスクが低い内装工事専門であれば、保険料は抑えられる可能性があります。

また、そもそも年間の工事件数が少ない場合は包括契約よりもその都度契約する単発契約のほうが保険料が安くなる場合もあります。

2. 工事の種類・内容

解体工事や高所作業が多い工事など、事故リスクが高いとされる工事は保険料が高くなります。

たとえば、解体工事業は飛び石や粉塵、騒音などの近隣トラブルが起きやすく、高所作業も多いため、先ほどの表でも保険料が他の業種の2〜10倍になっていました。

逆に、内装工事のみを請け負う会社など、リスクが低い業種は保険料が安くなりやすい傾向があります。

また、同じ「建築一式工事業」でも、実際に行う工事の内容によってリスクが変わります。たとえば、木造住宅の新築がメインなのか、鉄骨造のビル建設がメインなのかで、保険料は変わってきます。

見積もりを依頼する際は、「どんな工事をメインに行っているか」を具体的に伝えることで、より正確な保険料を算出してもらえます。

3. 補償内容・保険金額

補償範囲を広くしたり、支払限度額を高く設定したりすると、保険料は上がります。

たとえば、対人賠償を「無制限」に設定するか「5,000万円」に設定するかで、保険料は変わります。また、対物賠償を「1,000万円」にするか「1億円」にするかでも、保険料は変わってきます。

補償範囲を広げれば広げるほど、保険会社が支払う可能性のある保険金額が増えるため、保険料も高くなるのは当然です。

ただし、「保険料を抑えたいから補償を削る」という判断は危険です。

たとえば、対物賠償を「1,000万円」に設定していた場合、近隣の高級車(2,000万円)を壊してしまった際に、補償が足りなくなります。

この場合、不足分の1,000万円は自己負担となり、結局は大きな損失を被ることになります。

補償内容を決める際は、「自社が請け負う工事の内容」と「工事現場の周辺環境」を考慮することが大切です。

なお、法的な観点からも保険加入の重要性を理解しておきましょう。

工事中に第三者へ損害を与えた場合、民法第709条(不法行為による損害賠償)および第715条(使用者責任)により、施工会社は賠償責任を負います。

特に民法第715条では、従業員が起こした事故でも、使用者(会社)が賠償責任を負うと定められています。そのため、保険による備えが法的にも重要となります。

4. 過去の事故歴

事故が多いと、翌年度以降の保険料が割増される場合があります。

自動車保険の「等級制度」と同じで、工事保険でも事故の頻度や金額によって、保険料が変わる仕組みがあります。

逆に、無事故が続けば「無事故割引」が使われ、保険料が安くなることもあります。

ただし、「保険料が上がるから事故を報告しない」というのは絶対にNGです。保険金を請求しなくても、事故を隠していたことが後で発覚すると、保険契約が解除されるリスクがあります。また、被害者側から訴えられた際に、保険が使えないという事態にもなりかねません。

事故が起きた際は、必ず保険会社に報告し、適切な対応を取ることが大切です。

5. 入る保険会社・プラン

保険会社や商品によって、保険料設定は異なります。同じ補償内容でも、保険会社によって数十万円の差が出ることもあります。

これは、保険会社ごとにリスク評価の方法や、得意とする業種が異なるためです。たとえば、ある保険会社は解体工事業に強く、別の保険会社は建築一式工事業に強い、といった違いがあります。

また、保険会社によって「どの業種をリスクが高いと見なすか」の基準が異なります。先ほどの表で、解体工事業の保険料が保険会社によって約23万円〜約203万円と大きく異なっていたのは、このリスク評価の違いによるものです。

つまり、「同じ完工高・同じ業種でも、条件次第で保険料は大きく変わる」ということです。

だからこそ、次のセクションで解説する「保険料を比較する時の注意点」が大切になってきます。

保険料を比較する時の注意点:補償内容と保険金額を必ず揃える

保険料を比較する際は、必ず「補償内容」と「保険金額」を揃えてから比べてください。

たとえば、A社の見積もりが「対人賠償:無制限、対物賠償:1億円」で、B社の見積もりが「対人賠償:5,000万円、対物賠償:5,000万円」だった場合、単純に金額だけで比べることはできません。

A社の方が保険料は高いかもしれませんが、それは補償内容が手厚いためです。逆に、B社の保険料が安くても、補償内容が足りなければ意味がありません。

複数の保険会社から見積もりを取る際は、必ず「補償内容」と「保険金額」を統一した条件で比べるようにしましょう。

具体的には、以下のような条件を揃えて比較します。

  • 対人賠償: 無制限、または1億円以上
  • 対物賠償: 1,000万円〜1億円(工事内容に応じて設定)
  • 受託物賠償: 500万円〜5,000万円(預かる資材の価値に応じて設定)
  • 免責金額: 0円、または1万円〜10万円(自己負担額をどの程度にするか)

この4つの条件を揃えることで、正確な比較が可能になります。

これらの条件を統一したうえで、複数の保険会社から見積もりを取ることで、はじめて「どこが安いか」を正確に比較できます。

なお、補償金額の設定基準についても確認しておきましょう。

対人賠償は、死亡事故や重度後遺障害が起きた場合、賠償額は数千万円から億単位になることもあるため、「無制限」または「1億円以上」で設定するのが基本です。

対物賠償は、工事現場の周囲の状況(高級住宅街、商業施設、交通量の多い道路など)や、扱う資材・設備の金額に合わせて設定します。

一般的には「1,000万円〜5,000万円」程度から設定されることが多いですが、大規模工事やリスクが高い場合は「1億円以上」が必要になることもあります。

【実践】保険料が相場より高いとき、どこをチェックする?

ここまで読んで、「うちの保険料、やっぱり相場より高いかも…」と感じた方も多いのではないでしょうか。

保険料が相場より高い場合、やみくもに保険会社を変えるのではなく、まず「どの要因で高くなっているのか」を特定することが大切です。

ここでは、保険料が高い原因を突き止めるための、具体的なチェック手順をご紹介します。

【STEP1】現在の契約内容を確認する

まず、以下の情報を保険証券から確認してください。

最低限確認すべき項目は、保険会社名とプラン名補償内容(対人賠償、対物賠償、受託物賠償など)、保険金額(支払限度額)、免責金額(自己負担額)、特約(追加されている特約はないか)、割引(団体割引、無事故割引などが適用されているか)です。

特に見落としがちなのが、「知らないうちに追加されている特約」です。

たとえば、「海外工事特約」や「サイバーリスク特約」など、自社では使わない特約が付いていると、その分保険料が上がります。

【STEP2】5つの変動要因のうち、どれが原因か特定する

保険料が高い原因は、先ほど解説した5つの要因のいずれかにあります。以下のチェックリストで、自社の状況を確認してみてください。

  • 要因1:完工高・売上高が大きい
  • 対策:完工高の申告額が正確か確認(多めに申告すると保険料が上がる)
  • 対策:完工高に応じた段階的な保険料体系を採用している保険会社を選ぶ

完工高の申告は、実績に基づいて正確に行うことが重要です。

  • 要因2:業種のリスクが高い(解体工事業、管工事業など)
  • 対策:その業種を得意とする保険会社を選ぶ(保険会社によって得意業種が異なる)
  • 対策:実際に行う工事内容を正確に伝える(リスクを過大評価されていないか確認)

業種に特化した保険会社を選ぶことで、保険料を大幅に抑えられることがあります。

  • 要因3:補償内容・保険金額が手厚すぎる(または不要な特約が付いている)
  • 対策:不要な特約を外す(海外工事をしないのに海外工事特約が付いているなど)
  • 対策:保険金額を見直す(過剰に高く設定していないか確認)
  • 注意:安くするために補償を削りすぎると、いざという時に足りなくなるリスクがあります

バランスの取れた補償内容を選ぶことが大切です。

  • 要因4:過去に事故が多い
  • 対策:安全管理を徹底し、無事故期間を延ばす(無事故割引が適用される)
  • 残念ながら、事故歴による割増は短期間では解消できません

安全管理の徹底は、長期的なコスト削減につながります。

  • 要因5:保険会社・代理店が最適ではない
  • 対策:複数の保険会社・代理店から見積もりを取る
  • 対策:団体割引が使える代理店を探す

この要因が、もっとも即効性が高く、削減額も大きくなりやすいポイントです。

【STEP3】具体的な見直しアクションを実行する

原因が特定できたら、次は具体的な見直しアクションです。すぐにできる見直しアクションとして、以下の5つを優先順位順にご紹介します。

1. 不要な特約を外す(即効性:高)

  • 保険会社に連絡して、不要な特約を外すよう依頼
  • 年度途中でも変更可能な場合があります

この方法は、手続きが簡単で即効性が高いため、最優先で検討してください。

2. 完工高の申告を見直す(即効性:高)

  • 完工高を多めに申告していないか確認
  • 実績ベースで正確に申告する

多めに申告していた場合、これだけで年間数万円の削減になることもあります。

3. 複数の保険会社・代理店から見積もりを取る(即効性:中〜高)

  • 補償内容を統一した条件で、3〜5社から見積もりを取る
  • 団体割引が使える代理店かどうかを確認

複数社で比較することで、もっとも有利な条件を見つけられます。

4. 業種に強い保険会社を選ぶ(即効性:中)

  • 解体工事業なら損保ジャパン、建築一式工事業ならあいおいニッセイ同和損保など、業種ごとに得意な保険会社を選ぶ

業種に特化することで、保険料が半額以下になるケースもあります。

5. 安全管理を強化して無事故を続ける(即効性:低)

  • 長期的には無事故割引が適用され、保険料が下がる

これは時間がかかりますが、継続的なコスト削減につながります。

【重要】「安ければいい」ではない!補償内容が適切かも必ずチェック

保険料を下げることは大切ですが、「安くするために補償を削りすぎる」のは絶対にNGです

たとえば、以下のようなケースでは、保険料が安くても意味がありません。

  • 対物賠償が1,000万円:近隣の高級車(2,000万円)を壊した場合、1,000万円の自己負担
  • 受託物賠償がない:預かった資材が火災で焼失した場合、全額自己負担
  • 労災上乗せ保険がない:従業員が重度後遺障害を負った場合、政府労災だけでは不十分

これらは、保険料が安くても結果的に大きな損失につながるケースです。

保険料を比較する際は、必ず「補償内容が自社のリスクをカバーしているか」を先にチェックしてから、金額を比べてください。

「どの補償をどの程度つければいいか分からない」という方は、専門家に相談することをおすすめします。

同じ補償でも、代理店によって最終金額が変わる理由

「同じ保険会社、同じ補償内容なのに、代理店によって保険料が違う」ということがあります。

なぜそんなことが起こるのでしょうか?

その答えは、「団体割引」にあります。

団体割引とは?個別で入るより10〜30%以上安くなる仕組み

団体割引とは、業界団体や法人会、商工会議所などが保険会社と一括契約を結ぶことで、個別で入るより10〜30%以上安くなる割引制度です。

代理店によっては、こうした団体割引を使える場合と使えない場合があります。そのため、同じ補償内容でも、代理店によって最終的な保険料が大きく変わるのです。

具体的には、以下のような割引制度があります。

  • 業界団体割引: 業種別に大手保険会社と団体契約をしているケースがあり、単独で入るより10〜30%程度保険料が下がることがあります。
  • 法人会・商工会割引: 地域の商工会議所や法人会に入っていれば、提携する保険会社で追加割引を使える可能性があります。
  • 保険会社独自の割引: 無事故割引や、特定の条件を満たすことで使える割引など、保険会社が独自に設定している割引もあります。

これらの割引を組み合わせることで、さらに大きな削減効果が期待できます。

「どんな割引が使えるか」を代理店や保険会社にしっかり確認することが大切です。

団体割引は、知っているか知らないかで、年間数十万円の差が出ることもあります。見積もりを取る際は、必ず「どんな割引が使えるか」を確認しましょう。

【実例】団体割引で年間50万円以上削減したケース

実際に、当社にご相談いただいたお客様の事例をご紹介します。

ケース1: 完工高5億円の建設会社様

  • 当初の見積もり(割引なし):年間 150万円
  • マルエイ取引先協力会の団体割引適用後:年間 95万円55万円削減、約37%削減!

ケース2: 完工高3億円の建設会社様

  • 当初の見積もり(割引なし):年間 80万円
  • マルエイ取引先協力会の団体割引適用後:年間 64万円16万円削減、20%削減!

※上記はあくまで一例です。割引率は保険種類や条件により異なります。

このように、同じ補償内容のまま、年間で数十万円単位のコスト削減につながるケースも少なくありません。

マルエイソリューションの豊富な割引制度

私たちマルエイソリューションでは、お客様の保険料負担を少しでも軽くできるよう、さまざまな割引制度の活用をサポートしています。

たとえば、「マルエイ取引先協力会」という独自の団体制度にご加入いただくことで、チャブ保険の業務災害補償保険(労災上乗せ保険)などが団体割引価格でご提供できます

この協力会は入会金・年会費が無料で、多くの会員企業様にご利用いただいています。

複数の代理店で比較すれば、さらにコストを削減できる

ここまで読んで、「保険料を安くするには、団体割引が使える代理店を選ぶことが大切」ということがお分かりいただけたかと思います。

では、どうすれば団体割引が使える、最適な代理店を見つけられるのでしょうか?

答えは、「複数の代理店から見積もりを取って比べる」ことです。

なぜ複数社で比較する必要があるのか

理由は3つあります。

1. 代理店によって使える団体割引が違う

すべての代理店が同じ団体割引を使えるわけではありません。A代理店は「業界団体割引」、B代理店は「商工会割引」と、使える割引制度が異なります。

そのため、同じ保険会社・同じ補償内容でも、代理店によって最終的な保険料が数十万円単位で変わることがあります。

2. 扱っている保険会社の数が違う

代理店によって、扱っている保険会社の数が異なります。

先ほどの表で見たように、解体工事業なら損保ジャパンが圧倒的に安く、建築一式工事業ならあいおいニッセイ同和損保が安い、といった違いがあります。

複数の保険会社を扱っている代理店なら、あなたの業種に合った保険会社を提案してくれます。

3. 建設業向けの専門性が違う

工事保険は業種特有のリスクがあり、専門的な知識が必要です。

建設業向けの実績が豊富な代理店なら、「こういう工事の場合、この特約が必要」「この補償は過剰かも」といった、的確な提案をしてくれます。

代理店を選ぶ際の最低限のチェックポイント

複数社から見積もりを取る際は、以下の3点を確認してください。

  • 団体割引が使えるか?(どんな割引制度があるか、事前に聞く)
  • 建設業向けの実績があるか?(工事保険の取扱実績を確認)
  • 複数の保険会社を扱っているか?(選択肢が多いほど、最適なプランが見つかりやすい)

これら3点を満たす代理店なら、安心して任せられます。

この3点を満たす代理店を、2〜3社ピックアップして見積もりを取れば、最適な保険が見つかります。

マルエイソリューションなら、専門性とコスト削減を両立

私たちマルエイソリューションは、建設業保険に特化した専門代理店です。

「マルエイ取引先協力会」などの独自の団体割引や各種割引制度を組み合わせることで、必要な補償はそのままに、年間で数十万円〜数百万円ものコスト削減を実現します。

国内外7社40商品以上の選択肢と、継続率95%以上の信頼のサポート体制で、貴社のリスクマネジメントをバックアップします。

今の保険・提案いただいている保証条件が本当に最適か?最安か?を確認します

ここまで、工事保険料の相場と、保険料を削減する方法について解説してきました。

では、今あなたが入っている保険、あるいは今提案されている保険は、本当に最適で最安なのでしょうか?

私たちマルエイソリューションでは、現在の保険内容を無料で診断し、最適なプラン&最安値をご提案しています。

無料診断で分かること

  • 今の保険料が適正かどうか(相場と比べて高すぎないか)
  • 補償内容に過不足がないか(必要な補償が抜けていないか、不要な特約がないか)
  • 団体割引などの活用で、どれだけ削減できるか(具体的な削減額のシミュレーション)
  • 国内外7社40商品以上の中から、貴社に合った保険プラン

これらの情報を無料で確認できます。

マルエイソリューションの団体割引制度なら、大幅なコスト削減が可能

当社では、独自の団体割引制度を活用することで、大幅な保険料削減を実現できます。

削減例
  • タフビズ業務災害補償プランなら、60%以上の割引が可能です。
  • (試算条件:法面工事業・業務災害保険・完工高7億円規模)
  • タフビズ建設業総合保険なら、70%以上の割引が可能です。
  • (試算条件:鋼構造物工事・建設総合賠償保険・完工高50億円規模)

※上記は試算例であり、実際の削減率は業種、完工高、補償内容、事故歴などの条件により異なります。

診断の流れ

  • お問い合わせ: 下記のボタンから、無料相談をお申し込みください。
  • 現状ヒアリング: 現在の保険内容、業種、完工高などをお伺いします。
  • 診断・プラン提案: 現在の保険内容を診断し、最適なプラン&最安値をご提案します。
  • ご契約: 内容にご納得いただければ、ご契約となります。

お気軽にご相談ください。

無理な勧誘は一切ありませんので、安心してご相談ください。

まとめ:工事保険料の相場を知って、コストを削減しよう

工事保険料の相場をまとめると、以下の通りです。

工事保険料の相場まとめ
  • 完工高1億円の場合: 年間30〜40万円程度(賠償責任保険+労災上乗せ保険)
  • 完工高5億円の場合: 年間150万円前後
  • 完工高10億円の場合: 年間300万円超えも
  • 解体工事業など高リスク業種: 上記の2〜3倍になることも
  • 工事の件数によっては単発契約がやすくなる場合も

自社の状況と照らし合わせて、適正な水準を把握しておきましょう。

ただし、これはあくまで目安です。同じ条件でも、保険会社や代理店の団体割引の活用によって大きな差が出ます。

保険料を抑えるポイント
  • 補償内容と保険金額を揃えて比べる:保険料だけで比べると、補償内容が足りないリスクあり
  • 複数の代理店から見積もりを取る:同じ補償でも数十万円の差が出ることも
  • 工事の回数も見直す:単発契約で良い場合も
  • 団体割引を活用する:10〜30%以上の削減ができる
  • 保険の専門家に相談する:現在の保険内容を診断し、最適なプラン&最安値を提案

この4つのポイントを押さえれば、保険料を大幅に削減できます。

「工事保険比較WEB」なら、大手損保7社40商品以上から、あなたの業種に合った工事保険を見つけられます。

一般契約と比べて、30%〜最大80%割引になる商品も多数ご用意!

新規で工事保険の加入を検討している方、現在入っている保険に不安がある方はぜひ一度「工事保険比較WEB」にご相談ください。

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