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【塗装工事向け】その保険は本当に適正?費用削減法と本当に必要な補償を教えます
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【塗装工事向け】その保険は本当に適正?費用削減法と本当に必要な補償を教えます

塗装業を営む経営者の方や、一人親方の皆様も、

「うちの会社の保険、これで本当に大丈夫なのだろうか」

「万が一の事故に備えたいけれど、どの保険を選べばいいか見当もつかない」

「毎月の保険料、もう少し何とかならないものか」

こうした悩みを一度は抱かれたことがあるのではないでしょうか。

塗装工事の現場では、塗料の飛散や足場からの資材落下といった、誰もが想像する事故以外にも、実は、想像していなかったようなトラブルがあります。

万が一の際に、「そこまで想定してないのでカバーできてない」とならないよう、しっかりと備えておくことが大切です。

この記事では、塗装工事の現場に潜む、事故の事例や特有のリスクから、本当に必要な保険の種類、そしてコストを抑えつつ最適な備えを実現するための保険の選び方・使い方まで、具体的なヒントを保険の専門家が分かりやすくお伝えします。

特に一人親方や小規模事業者の方が押さえておくべき点も解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事でわかること
  • 塗装工事の現場で、実際にどのような事故が起こる?

  • 事故やトラブルが経営に与える影響と、なぜ備えが大切?

  • 塗装工事で検討しておきたい保険の種類と、それぞれの補償内容は?

  • コストを抑えながら、必要な補償をしっかり確保する保険の選び方・見直し方とは?

  • 万が一事故が起きてしまった時はどうすればいい?

塗装工事の現場では、どんな事故が起こりうる?

塗装工事と聞くと、多くの方は塗料が飛んで近くの車を汚してしまったり、足場から物が落ちてしまったりといった事故を思い浮かべるかもしれません。

しかし、実は日々の作業に使う機械や設備のトラブルも、リスクとしてあるのです。

以下は工事保険比較WEB(マルエイソリューション)取り扱った、実際に保険金の支払いが発生した塗装工事の事故の事例です。

  • 塗装用機械内部で材料が固まって故障
    吹き付け機で材料を調合した際、配合ミスにより機器内部で原料が硬化し、作業を続行できなくなりました。
  • 断熱材スプレー装置ホースを破損
    断熱材スプレー装置使用中に、ホースが何かに引っかかり、ホースに穴が開いてしまいました。修理費用支払いが発生しました。
  • 現場作業中、機械モジュールに水が入り故障
    工事現場での作業中、使用していた機械のモジュール部分に水が混入し、特殊塗装機械が動作しなくなるという事故が発生しました。

塗料の飛散といった第三者への影響だけでなく、機械の故障や破損によっても、修理費用や作業の遅れ、代替機の手配など、予期しない損害が出てしまう可能性があるのです。

これらのリスクを甘く見ず、対策を立てることが大切です。

なぜ保険が必要?塗装工事の事故が経営に与える影響

塗装工事中に発生する事故やトラブルは、被害者への補償だけでなく、経営全体に影響を及ぼす可能性も考えられます。

金銭的損失だけじゃない!事故がもたらす4つの影響

塗装工事中の事故は、実は、時に深刻な金銭的損失や事業運営への大きな支障を引き起こします。

高額な賠償責任の発生 塗料飛散や足場事故などで第三者に損害を与えた場合、数百万から数千万円規模の賠償が必要になることもあり、自己資金だけでの対応は非常に困難です。
追加費用の発生と売上減 工事のやり直し費用や、事故対応による休業期間中の売上減少、固定費の支払いも経営を圧迫します。
信用の低下と受注への影響 事故は顧客や元請けからの信頼を損ない、新規受注の減少や取引条件の悪化に繋がる可能性があります。
行政処分や従業員への影響も 事故内容によっては行政処分を受けるリスクや、従業員の士気低下・離職といった問題も起こり得ます。

これらの損害から回復するには多くの時間と労力が必要です。

だからこそ、日頃の安全対策と並行し、万が一の経済的ダメージを最小限に抑える保険への加入が大切です。

保険は、高額な賠償をカバーし事業継続を助けるだけでなく、事故対応の負担軽減というメリットもあります。

一人親方・小規模事業者は特に注意!小規模ならではの特有リスク

一般的な塗装工事のリスクに加え、一人親方や小規模で事業を運営されている方には、事業の規模が小さいからこそ、より深刻な影響を受けやすい問題があります。

例えば、次のような事態が考えられます。

  • 経営者自身が事故にあうと、即、仕事がストップしてしまう。

  • 代わりの人がいないため、工期が遅れたり、最悪の場合、契約を守れなかったりする。

  • 事故が起きた際の賠償金や修理費用の負担が、経営を直接圧迫する。

  • 日々の業務が忙しく、安全対策や保険についてじっくり考える時間が取れない。

こうした状況を考えると、やはり保険による備えは欠かすことができません。

例えば、ご自身が万が一ケガをした場合に備える労災保険の特別加入制度や、働けなくなった時の収入を支える所得補償保険は、事業とご自身の生活を守る上で、とても頼りになります。

事業の規模が小さいからこそ、これらの特有の事情をしっかりと認識し、どのような保険が必要なのかを検討することが、安心して事業を続けていくための鍵となります。

塗装工事で本当に必要な保険は?4つの保険と補償内容

塗装工事に伴う様々なリスクに備えるためには、具体的にどのような保険があり、それぞれの保険がどのような範囲を補償してくれるのかを理解しておくことが大切です。

特に、塗装工事を取り巻くリスクへ備えるために、主に次の4つの保険が考えられます。

  1. 賠償責任保険:第三者への損害をカバー

  2. 労災上乗せ保険:従業員やご自身のケガに備える

  3. 所得補償保険:働けなくなった時の収入を補う

  4. 機械保険(動産総合保険など):事業用機械の万が一に

これらの保険をうまく組み合わせることで、工事中・引き渡し後、万が一の事故や事業用資産の損害など、様々なリスクに対応できるようになります。

第三者への損害賠償に備える「賠償責任保険」

塗装工事中や工事完了後に、お客様や近隣の住民の方、通行人といった第三者の身体や持ち物に損害を与えてしまった場合、法律上の賠償責任を負うことになります。

その際に発生する賠償金や関連費用をカバーしてくれるのが、この賠償責任保険です。

塗装業を営む上で、まず加入を検討すべきもっとも基本的な保険と言えます。

具体的には、

  • 工事中の事故に備える「請負業者賠償責任保険
  • 工事完了後の事故に備える「PL保険(生産物賠償責任保険)

の二つが中心となります。

保険の種類 補償するタイミング 具体的なケースの例
請負業者賠償責任保険 工事の作業中
  • 塗料が飛散し、駐車中の車を汚してしまった。
  • 足場から資材が落下し、通行人にケガをさせてしまった。
PL保険
(生産物賠償責任保険)
工事完了・引き渡し後
  • 施工した塗装に不備があり、後日それが原因でお客様の建物に損害が発生した
    (例:早期の剥離による外壁材の汚損など)。
  • 防水塗装の不備で雨漏りが発生した。

これら二つの保険は、補償する事故のタイミングが異なるため、セットで加入しておくと安心です。

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従業員と経営者自身を守る「労災上乗せ保険(業務災害保険)」

塗装作業は、高所での作業など危険が伴うこともあります。

そのため、従業員の方や経営者ご自身のケガへの備えは欠かせません。

まず、従業員を雇っている場合は、国の労災保険(政府労災)への加入が法律で義務付けられています。

これは、仕事中や通勤途中のケガなどに対して基本的な補償をしてくれるものです。

一人親方の方も、特別加入制度を利用すれば、政府労災に任意で入ることができます。

しかし、政府労災だけでは補償が十分とは言えないケース(例えば、慰謝料の支払いや、休業中の給与全額の補填など)や、万が一従業員から会社に対して損害賠償を請求されるリスク(使用者賠償責任と言います)に対応するためには、民間の労災上乗せ保険((業務災害保険))への加入も考えておきたいところです。

国の労災保険だけでは足りないかもしれないこと 労災上乗せ保険でプラスできる補償の例
慰謝料、逸失利益(事故がなければ得られた将来の収入)など
  • 休業補償の不足分をカバー
  • 死亡時の弔慰金や遺族へのお見舞金
  • 後遺障害が残った場合の慰謝料
  • 会社が従業員側から損害賠償請求された場合の賠償金

建設業界では、この保険への加入がだんだんと当たり前になってきています

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働けなくなった時の収入を補う「所得補償保険」【一人親方や小規模事業者向け】

経営者自身が主な働き手である一人親方や小規模事業者の方にとって、病気やケガで長期間働けなくなると、収入が途絶え、事業の継続や生活が難しくなってしまいます。

このような「働けないリスク」に備えるのが所得補償保険です。

仕事中はもちろん、仕事以外のプライベートな時間での病気やケガで働けなくなった場合に、契約の際に決めておいた保険金が一定期間支払われ、生活費や事業の経費などに充てることができます。

特に、公的な休業補償があまり手厚くない個人事業主の方にとっては、いざという時に役立つでしょう。

事業用機械の万が一に備える「機械保険(動産総合保険など)」

塗装工事に欠かせないコンプレッサーや吹き付け機などの機械設備が、火事や盗難、運搬中や作業中の偶然の事故によって破損した場合、その修理費用や買い替え費用は大きな負担となります。

このようなリスクに備えるのが機械保険や動産総合保険です。

ただし、経年劣化や内部的な故障そのものは対象外となる場合が多いため、あくまで「事故による損害」への備えと理解しておきましょう。

高価な機械をお持ちの場合は、特に検討しておきたい保険の一つです。

元請けも自社も納得する塗装業者の保険選びと見直しのポイント

塗装工事の保険は、ただ加入すれば良いというものではありません。

元請け会社からの要望に応えつつ、自社のリスクをしっかりカバーし、さらに保険料の負担もできるだけ抑えたい、というのが本音ではないでしょうか。

ここでは、そんなバランスの取れた保険選びと管理のためのポイントを解説します。

保険選びと見直しはこの5つを抑えよう

保険は一度入ったら終わりではなく、事業の状況に合わせて見直していくことが大切です。

ここでは、以下の点を抑えましょう。

保険選びと見直しのポイント5つ
  1. リスクの把握:
    まずは、ご自身の事業にどのようなリスク(例:塗料飛散、足場関連、従業員のケガ、機械の故障など)が潜んでいるかを具体的に洗い出しましょう。
  2. 必要な補償内容を明確にする:
    洗い出したリスクに対し、どの種類の保険で、どの程度の補償額が必要かを見極めます。
  3. 情報を集めて比較検討する:
    複数の保険会社や代理店から情報や見積もりを取り寄せ、内容と保険料をじっくり比較します。
  4. 保険の専門家に相談する:
    保険は複雑なため、信頼できるプロ(代理店など)に相談し、専門的なアドバイスを受けるのが賢明です。
  5. 契約、そして定期的な見直しを:
    最適なプランが決まったら契約しますが、事業内容や規模の変化、新たなリスク認識に合わせて、定期的に保険内容を見直しましょう。新規開業時、元請けからの指示時、契約更新時などが主な見直しのタイミングです。

新規開業時、元請けからの指示時、契約更新時が主に保険を見直すタイミングです。

また、事業内容・規模の変更時や新たなリスク認識時にも保険を見直してみることもおすすめします。

【一人親方・小規模事業者向け】限られた予算で最大限の安心を得るには?

一人親方や従業員の少ない小規模事業者の方々の場合は、さらに押さえておきたい保険選びのポイントがあります。

「限られた予算の中で、どうすれば本当に必要な補償を確保できるか」を見ていきましょう。

  • まずは「国の制度」をフル活用する:労災保険の特別加入
    一人親方も政府労災に特別加入できます。作業中のケガに対する治療費や休業補償が国から給付される、必須のセーフティーネットです。まずこの制度の利用を検討しましょう。一般的な労災保険に比べて保険料が比較的安価な場合が多く、基本的な補償を確保できます。

  • 「働けなくなった…」その時の収入源を確保する:所得補償保険
    経営者自身が働けなくなると収入が途絶えます。所得補償保険は、月々の生活費や固定経費をカバーしてくれます。特に公的な休業補償が手薄になりがちな個人事業主には、優先的に検討したい保険の一つです。

  • 「もしも」の賠償に備える:賠償責任保険(請負業者賠償責任保険・PL保険)
    第三者への損害賠償リスクは常に存在します。請負業者賠償責任保険やPL保険は事業を守るために不可欠。工事内容や規模に応じた適切な補償額を設定しましょう。

  • 保険料を賢くコントロールする:免責金額(自己負担額)の設定
    保険料を抑えるには免責金額(自己負担額)の設定が有効です。小損害は自己負担とし、大きな損害に備えます。ただし、無理のない範囲で設定することが重要です。

  • ニッチなニーズに応えてくれる選択肢を取る:業種特化型ミニ保険・共済制度
    自社のリスクに合えば、補償を絞り保険料を抑えたミニ保険や、同業者団体の共済も選択肢です。一般的な保険ではカバーしきれない細かいニーズに対応していたり、特定の業種に特化した手頃なプランが見つかったりするかもしれません。

一人親方・小規模事業者だからといって、保険による備えを諦める必要は全くありません。

大切なのは、自社にとって本当に必要な補償は何かを冷静に見極め、優先順位をつけることです。

そして、分からないことは専門家にも相談しながら、確実にリスクに備えましょう。

保険料を抑える6つのポイント:団体割引や複数プラン比較がおすすめ!

保険の必要性は理解していても、毎月の保険料はできるだけ抑えたいものです。

しかし、削減ばかりを気にして、いざという時に必要な補償が受けられなくては意味がありません。

まず大切なのは、自社にとって「絶対にカバーすべきリスク」(必須補償)をしっかりと見極めることです。

例えば、第三者への高額賠償や従業員の重大な労災など、事業の継続そのものを揺るがしかねないリスクは、最優先で備えておくべきでしょう。

その上で、保険料を節約するには、以下の6つのポイントを検討しましょう。

保険料を抑えるポイント6つ
  1. 重複補償のチェックと整理:
    複数の保険で同じリスクをカバーしていないか確認し、無駄な保険料を削減します。保険証券をしっかり確認し、不明な点は代理店に相談しましょう。

  2. 不要な特約の見直し:
    本当に必要な特約だけに絞り込み、不要なオプションを外して保険料をスリム化します。「念のため」で付けた特約がないかチェックしましょう。

  3. 団体割引の活用:
    所属する塗装業の協会などを通じた加入で、割引が適用される場合があります。個別加入に比べ10~30%以上安くなるケースも。(条件により異なります)

  4. 複数プランの比較検討:
    同じ補償でも保険料は保険会社やプランで数万円単位で異なります。相見積もりで最適なプランを探しましょう。特に塗装工事は特有のリスクがあるため、より慎重に比較しましょう。

  5. 補償内容の最適化:
    免責金額(自己負担額)の設定や、自社の事業規模や工事内容に照らして、本当に必要な補償への絞り込みを検討しましょう。ただし、塗装工事特有のリスクに対する備えを安易に削らないよう注意が必要です。

  6. 安全対策による割引制度:
    安全管理への取り組みが、保険料割引の対象になるケースもあります。また、無事故を継続することで、更新時の保険料が割安になることも期待できます。

これらの方法を上手く組み合わせることで、保険料の負担を大きく減らせる可能性があります。

特に団体割引は、その団体に加入する事業者が増えるほどスケールメリットが働き、同じ補償内容でも割引率が向上するというメリットがあります。

実際に、私たちマルエイソリューションにご相談いただいたお客様の中には、保険全体の見直しを行った結果、年間の保険料を約80%削減できたというケースもあります。(参考:マルエイソリューション お客様の声

保険料のコスト削減については、下記の記事でも詳しくご紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。

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建設現場は高所作業や大型機械の使用など、事故リスクが他の業種と比べて格段に高いといわれます。 万が一、大きなけがや資材の破損、近隣建物への被害などが起こった場合、数千万円から数億円の賠償金が発生することも珍しくありません。 しかし、こうしたリスクに対して「工事保険」の加入を後回しにしている事業者

万が一の事故発生!保険金請求をスムーズに進める手順と注意点

塗装工事の現場で、もしも塗料の飛散による汚損事故や、足場からの落下物による人身事故などが発生してしまった場合、どのように対応し、保険金請求の手続きを進めれば良いのでしょうか。

いざという時のために、保険金請求の一般的な流れと、特に気をつけたいポイントをまとめました。

①事故発生直後の初期対応と安全確保 何よりもまず、人命の安全を最優先に行動します。負傷者がいれば応急手当や救急車の手配を。二次被害を防ぐため、作業を中止し、危険箇所への立ち入り禁止措置や、飛散防止養生の再確認・補強などを行います。重大事故の場合は警察・消防へも通報します。
②証拠の保全を徹底する 事故現場の状況を捉えた写真や動画は、保険金請求に不可欠な証拠です。損害箇所(汚損した車、破損物、ケガの状況など)だけでなく、現場全体の様子も多角的に、日付と共に記録しましょう。目撃者がいれば、話を聞き、連絡先と共に記録することも有効です。客観的な記録が後の手続きを助けます。
③保険会社(または代理店)への迅速な連絡 保険証券などを準備し、事故発生後、できる限り速やかに保険会社または保険代理店へ第一報を入れます報告が遅れると、保険金の支払いに影響が出たり、最悪の場合、補償対象外となったりする可能性もあるため注意が必要です。契約上の報告義務や期限も確認しましょう。
④損害状況の確認と修理見積もりの手配 物損事故(塗料による汚損、器物破損など)で修理や清掃が必要な場合、保険会社の指示のもと、できれば複数の専門業者から見積もりを取得します。これにより費用の妥当性が確認でき、保険会社との交渉も円滑に進めやすくなります。保険会社の承認なく修理や清掃を進めないよう留意します。
⑤示談交渉の進行と保険金の受領 第三者が関わる対人・対物事故では、損害賠償に関する話し合い(示談交渉)が必要となることがあります。加入保険に示談代行サービスが付帯しているか事前に確認しておくと、万が一の際の心労や負担が大きく軽減されます。示談がまとまり、必要書類を提出すれば保険金が支払われます。

特に、事故直後の現場の状況を詳細に記録した写真や動画は、後からでは入手不可能な極めて重要な証拠となります。

事故発生時は誰もが冷静さを失いがちですが、この初期対応と証拠の保全が、「基本中の基本」と言えるでしょう。

なお、一人親方や小規模事業者の方の場合、事故の対応に割ける人手や時間に限りがあるでしょう。

万が一の事態に備え、事前に保険代理店や専門家(弁護士など)といった相談先を確保しておくこと、そして事故発生時には一人で抱え込まず、速やかにこれらの専門家の助けを求めることが、問題解決への近道となります。

まとめ:事業規模に応じて、一度塗装工事の保険を見直そう!

ここまでご説明してきたように、塗装工事の現場には、塗料の飛散や足場からの落下といった分かりやすい事故だけでなく、日々の作業に欠かせない機械や設備の故障といった、見過ごされがちなリスクもあります。

万が一の事態に備えるためには、以下の保険などを事業の状況に応じて適切に組み合わせることが重要です。

基本となる備え
  • 賠償責任保険(請負業者賠償責任保険・PL保険): 第三者への損害を補償
従業員やご自身のために
  • 労災上乗せ保険: 国の労災保険に上乗せして手厚く補償
特に一人親方・小規模事業者の方は
  • 所得補償保険: 働けなくなった時の収入減に備える
  • 機械保険: 事業用機械の突発的な損害をカバー

「うちの会社にとって、本当に必要な保険は何なのだろう?」

「今の保険料、もう少し何とかならないものか…」

「元請けから指示された保険で、本当に十分なのだろうか?」

もし、こうしたお悩みや疑問をお持ちでしたら、ぜひ一度、工事保険比較Web(マルエイソリューション)でご相談ください。

マルエイソリューションの強み
  • コスト削減に自信あり!:
    独自の団体割引(入会費・年会費無料の「マルエイ取引先協力会」など)や、保険会社ごとのプラン比較により、保険料の大幅な削減を目指せます。

  • 豊富な選択肢から最適プランをご提案:
    国内外の主要保険会社・40以上の商品の中から、お客様の重機の種類や使用状況、リース契約の有無などを踏まえ、過不足のない最適な補償プランを公平な視点で厳選します。

  • 安心の実績とサポート:
    これまで多くのお客様の保険選びをお手伝いし、継続率95%以上という高いご支持をいただいています。

長年の経験と豊富な専門知識を持つプロフェッショナルが、お客様の会社の状況やご要望を丁寧にヒアリングし、最適な保険プランとコスト削減策をご提案します。

ご相談やお見積もりは無料です。
オンラインでのご相談も承っておりますので、全国どこからでもお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
後藤 文男

国内大手損害保険会社で法人営業職を経験後、2013年に入社。補償内容の見直しや保険を活用した経費削減の提案など、損害保険分野のリスクコンサルを得意としている。
【保有資格】
・ファイナンシャルプランナー(CFP)
・一級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

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